今日、とある「速読講座」に申し込んでしまいました。2,9800円です。
「速読」に対してさほど興味を持っていなかったのにもかかわらず、です。
- なぜ、欲しくなったのか?
- なぜ、申し込んでしまったのか?
この自分の心の動きを観察すると、他人の心の動きをコントロールする時のヒントになります。ちょっと悪い言い方ですが。
ある意味アフィリエイトは「相手の心を動かす仕事」だと思っているので、こういった体験が大いに役立ちます。
というわけで、このぼく自身の購入体験をもとに「文章によって人の心がどう動くか」ということについて書いていこうと思います。
速読なんて本当にできるの?インチキでしょ?
ぼくが申し込んだ講座というのは、
寺田昌嗣の「1冊10分のスピードを手に入れる一流の読書法 フォーカス・リーディング 速読マスター講座」
というものです。ダイレクト出版の企画ですね。
ダイレクト出版からはこの手のメールは毎日のように届きますし、速読関連のオファーも何度も目にしてきました。が、今までは大体スルーでした。
今まで、「確かに速読できたらいいだろうな」とは思いながらも、なんとなく「怪しい」「インチキでしょ?」という気持ちを持っていました。
他にも、こんな印象を抱いていました。
- いろんな種類の速読法があって、どれが正しいのかわからない
- それを調べて吟味してまで、申し込みたいとは思わない
- そもそも、速く読むことに必ずしも意味があるとは思わない
特に3番目ですね。速く読むことって、そんなに大事か?と思っていました。
読書は「読むこと」自体が目的ではなく、「考える」ための材料を仕入れることが目的では?という考えです。
いろんな先人の教えや智慧、知識を取り入れ、それを自分なりに咀嚼したり体系立てて自分独自の思考やノウハウに落とし込む・・・そこに読書の意義があるのでは?と思っていました。
なので、速く読んで大量の情報を記憶するよりも、ゆっくりじっくり味わいながら、考えながら読むほうが意味のある読書だろう、と。
一方、考えるためではなく「情報の仕入れ」そのものに意味がある本の場合は、速読は使えるのかという思いもありました。たとえば、実用書や辞書的なもの、あとは歴史などでしょうか。
まあそんな感じで、読書に速さはさほど必要ないだろうという考えがベースにありました。
前置きが長くなりましたが、速読に対してそのように捉えていたぼくが、なぜ速読講座に申し込んでしまったのか?
実際の時系列に添いながら、ポイントごとに振り返ってみようと思います。
1.「メールのタイトル」〜気になってクリック
まず、ダイレクト出版のメルマガは普段開封しないのに、このメルマガは開封してしまいました。思えば、この開封が全ての始まりでした。
なぜ開封してしまったのか?その答えは「メールのタイトル」にあります。
お叱りをうけました、、
というタイトルだったのです。このタイトルが目に入ったとき、いつものようにスルーできなかったんです。
ダイレクト出版に対して誰かがクレームか苦情を入れたのか?どんな内容?と思ってしまったんですね。
ダイレクト出版は嫌いというわけではないんですが、オファーがうざいというか、いかにもダイレクトレスポンスマーケティングのテクニックを駆使してるって感じで、ゴリゴリ押してくるところが、なんだかなーという印象でした。
なので、叱られたと聞いて「ざまあ見ろ!」という期待を持って開封してしまったところはあります。性格悪いんでしょうかね。笑
ちなみに、今書いているこの記事のタイトルは「買っちゃいました、、」です。あなたはどんなことを考えて、この記事タイトルをクリックしましたか?
- 具体性がない
- 続きが気になる
- アンチが反応する
普通に考えると、メールのタイトルやブログ記事のタイトルは「内容を具体的に端的に表したもの」にするべきなんですが、その真逆ですね。
具体性がなく、なんのことを言ってるのかわからない。だけど、そのせいで気になってクリックしてしまう。そしてアンチまで巻き込んで読ませてしまう。
PPCアフィリエイトで言うと、広告文なんかで使えそうですね。それってどういうこと?と思わせるために、あえて重要なことは書かないという戦法もアリかなと。
ただし、あまりに興味を引きすぎて無駄クリックが増えても困るので、広告の場合はちょっと難しいかもしれません。本当にクリックしてほしい人だけにクリックさせることのほうが大事なので。
メルマガはクリックされてもお金がかからないのでいいですけどね。
2.「メールの本文」〜疑問に対する潰し
そしてメールの本文です。一体どんなお叱りを受けたのか?
そこでこの内容をfacebookでシェアしたら、
投稿を見た方より、お叱り(?)をうけました。
「ハウツー本なら有り得るかもしれないが、
基本、作者が一言一句絞り出して練り上げた作品を、
何故こんな読み方をする?」
「速読、全く興味ありません。
しっかりと一字一句舐めるように見て、
時間かけて納得して読み解くのが
読書の本質と心得ています。」
…あなたはこの意見、どう思いますか?
賛成?反対?
どっちでもない?
・・・まさに、ぼく自身が速読に対して抱いていた「疑問」が書かれていたんですね。
速読に対してぼくと同じようなことを考えていた人がいて、その人にお叱りを受けた、と。もうこの時点で、ぼくは続きを読まざるを得ない気持ちになっていました。笑
「そうそうそう!どうや、正論やろ!?」って感じですね。これがよく言う「共感」というやつです。
そして、メールを読み進めるとそのお叱りに対する反論が展開されています。
まずはいつも通り丁寧に
一字ずつしっかり理解して熟読。
かかったタイムは4時間。
次は速読で、今度のタイムは15分。
熟読で丁寧に読むと理解度は高い。
が、時間がかかる。
速読で読むと短時間で終わる。
が、理解が雑。
さて、どちらがいいのか?
実は答えは簡単で、
「速読の後に熟読する」
ただそれだけです。
・・・ほうほう。で?
つまり、
・15分でさっと全体像を掴む
・読む価値、読む必要性があるか判断する
・次に時間かけて読み込む
という流れです。
これのいいところは、
「1時間2時間かけて読んだけど、
そもそも必要なかったな」
なんて時間の無駄遣いを防げて、
しかも、
二回目だと全体の流れが頭に入っているから、
4時間もかからないという点。
・・・そうか!そういうことか!
ここまで読んで、論破された気持ちになり、それでいて清々しい発見というか新たな見地を得た気分になりました。
抱いていた疑問が覆され、それだけでなく気付きを与えられて妙に納得してしまいました。
たしかに、まず最初に全体をざっくり捉えることの重要性は、様々なことにおいて常々感じていました。
同じ対象物を見るのにしても、「部分的に見る」のと、「全体のうちの一部分」として見るのとでは、全く見え方が違うからです。全体を捉えるということは「俯瞰する」「視座を高くする」とも言えるでしょう。
その「俯瞰思考」と「読書」が結びついた瞬間でした。もうこうなると、メルマガ文中にある「オファーLPへのリンク」をクリックですよね。
- 疑問や言い訳を提示し、それの打ち消しを用意する
これの重要性を改めて確認させられました。
「きっとユーザーはこういう疑問を持っているだろう」ということを推測しておき、それに対する反論をきっちりと先回りして用意しておくということですね。
PPCアフィリエイトでもそれ以外のアフィリエイトでも同じですが、リサーチの段階で
- ユーザーがどんな疑問を持っているか
- ユーザーがどんな言い訳をしたがるか
こういった「アクション(購買や申し込み)しない原因」をいかに拾えるかだと思います。そしてそれに対する「潰し」をかますことで、行動せざるを得ない状況に持っていけるわけですね。
まさに、文章で心を動かされた体験でした。
3.「返金保証」と「体験者の声」〜背中を押された
そしてオファーLPにアクセスしました。
オファーLPをしっかり読もうと思いましたが、ちょうど急ぎの用事ができたため、ざっくりと流し読みをしただけでした。
どうやら、この速読講座が今なら30日間の返金保証が付いているらしい、ということだけはわかりました。そして今日がその期限だと。
今日中に申し込めば1ヶ月無料で試せるのかと思い、あとで読もうと思ってページは開いたまま、別の用事に取り掛かりました。
この時点では、興味はあるもののまだ申し込む気はありません。
- 習得までに時間がかかるのではないか?
- 今やらなければいけないタスクに集中するべきでは?
といった「アクションしない言い訳」が出てきていました。
たしかに良さそうなんだけど、今本当にやるべきか?速読に申し込むことによって、直近のタスクを蔑ろにしてしまうのでは?という恐れを感じていました。
実際、やるべきことがたくさんあって手と頭が回らない状況だったので・・・。
そして用事を済ませて夜になりました。この時点では、速読のことは忘れていました。
ふと空き時間ができた時にブラウザを開くと、速読講座のオファーLPが目に飛び込んできて思い出しました。
そうそう、昼間にこのページ見てたな、と。ですがやっぱり先の「言い訳」があったので、ページを閉じようと思いました。
今じゃないよな、と。
でも、軽くスクロールしてみると「体験者の声」がありました。最近よく目にする、とある著名なキーワードマーケティングの社長さんの体験談でした。
ここでページを閉じるのを思い留まり、他の体験者の声も読んでいくことに。
そして気づいたらポチっと申し込んでいました。笑
- 「今申し込まないと損する」と思わせる(限定性)
- 背中を押す体験者の声(権威性)
ぼくが急な用事が入ったタイミングでオファーLPのページを閉じなかったのは、「返金保証付きで申し込める」ということと、「その期限があったから」です。
「限定性」というやつですね。
この期限を逃したら損するな、と。後でちゃんと見てみよう、と。
もし期限がなければ、そのままページを閉じていたかもしれません。いつでも返金保証付きで申し込めるなら、また今度でいいや、となっていたと思います。
そして、著名な人の体験談や推薦文。やっぱりこれは効きますね。これがなかったらポチってなかったと思います。
著名な人の体験談は「権威性」として機能するんだなと身を以て思い知りました。
ページを閉じようとしていた人を思い留まらせるだけじゃなく、申し込ませるのですから・・・。
まとめ
- 興味を引くタイトルでクリックさせる
- 疑問に対する「潰し」を先回りして書く
- 背中を押す「限定性」と「権威性」
まとめるとこんな感じです。
これらはライティングなどの世界でよく言われていることですが、やっぱり人の心を動かしますね。購入へと誘導します。
まんまとやられました。
購入の意図がない人をどのように購入に導くか?商品やサービスの価値をどのように伝えるか?ということの参考になります。